裁断・縫製

あとはテーラーにお任せ、裁断と縫製。

データが全て集まったらようやく生地を加工する段階へと進みます。 裁断は全てを機械で行ったり、その反対に人力だけを頼りに行うのではなく、両者を組み合わせて進めるのが一般的な手法となっています。 全自動でマシンに任せられれば簡単なのですが、品質的に問題が発生しそうな部分は職人さんが手作業で作業をすることになるでしょう。 高品質で丁寧な作業が求められるスーツほど腕の立つ職人が多くの作業に携わり、その分お値段も高額になっていく仕組みです。 逆にマシンが大活躍するようならば人件費を低く抑えられますので、オーダースーツでも割安に製作してもらうことが可能となっています。 これは生地の素材やデザインにもよるので、最初の打ち合わせで大雑把にでも予算を伝えてなるべく低額になるように依頼をすれば、 真心を込めてニーズに合わせてくれた見積りや提案をしてくれるでしょう。 裁縫は職人が手作業で行い、ボタン付けやプレスなどの仕上げをしたら完成です。 完成したらそのままクライアントにお届けするのではなく、その前に厳しい品質チェックをして不備はないか、お客様が満足してくれる品であるかを確認します。 当然オーダーされているサイズであるかも調べられますので、受け取ってから「あれ、袖が短くてみっともないんだけどどういうこと? 採寸してからそんなに腕は成長していないはずだから正確に製作されているのならこんなことには絶対にならないはずなんだけど」といったトラブルも起こりません。 オーダー通りの品であるか、サイズも合っていて裁縫にも問題は無いか、最終チェックを受けて合格してから、ようやくクライアントにお届けされます。 この検品の工程で手を抜かれると、せっかくのオーダースーツも自分のピッタリではなかったり 指定したカラーやデザインではない完成品が渡されてしまうかもしれないのですが、そうなった場合の顧客のガッカリ感はすさまじいでしょう。 あまりに注文とかけ離れているようだと受け取りを拒否されますし、そうなると代金の支払いも当然お断りされてしまいます。 そんな揉め事が起きないよう、完成したらひとつずつ丁寧にプロが厳しく審査するシステムがオーダースーツでは常識となっています。 同じ製品が大量生産されるのならこの検品の作業も流れるようにサクサクと進行していきますが、 全てがオーダーメイドなので2つ続けて全く同じ品が完成するようなことはほとんどありません。 検品も製品ごとにチェックする数値やデザインが異なるので、気を抜いてボンヤリとしていたら熟練者でもミスを見落としてしまうでしょう。 なので相当気合を入れてこの最後の検品を行うことになります。 そして見事合格したらようやくお客さんに届けられるのです。

オーダースーツの仕立てイメージ 試着してみてもしもサイズがきつい、大きすぎるといった問題が発覚したら、微調整を行って体形にフィットさせ、満足いく状態になったら完了となります。 ここまででおよそ2週間から1ヶ月というのが目安になっていますが、ショップによってかなり違いもありますしオーダーの内容も納品までに要する日数に 大きく影響を与えるので、注文時に「出来上がるのは何日後位かな、そう正確な日数ではなくていいので参考までに教えてもらえますか?」と スタッフの耳元で囁いて、こちらが納品がいつ頃なのかを気にしていることを伝えるといいでしょう。 有能なスタッフなら顎に手を当ててしばらく考え込んでから、かなり正確な納品日をあなたの耳元で囁き返してくれるはずです。 衣替えのシーズンが迫っているタイミングや春なんかがスーツの需要も高まりますので、その時期にオーダースーツを新調しようとしたら きっと注文も多く入っているでしょうから完成まで時間がかかるかもしれません。 注文してから早く受け取りたいのなら、みんなが仕立てない時期を狙ってオーダーするのがお勧めですよ。